*キレットとは→ 山の稜線が深く落ち込んだ場所
「キレット」は、いつも緊張する
鎖やハシゴなどの難所が続くのが怖いのは
もちろんだけど
「難所を通過した後の何にもないところで
気が緩んで落ちてしまう」のが一番怖い
これは大キレットが見える山小屋で
バイトしていたときに何度も聞かされていた
何でもない場所で実際に起きていたからだ
さらに次の山小屋まで5時間かかるため
水分補給が難しく、スタミナ切れも問題だ
テント装備の重さでバランスをとりながら
慎重に通過しなければならないから
自分のことで精いっぱいだ
[これから慎重におりてくるMH]
こんな危ないところ
行かなきゃいいのに…と思いつつ
吸いこまれるようにして
来てしまうのはなぜだろう
自分で歩いた分しか結果は出ない
ことさら、こんなルートとなると
本当に自分を信じなければいけない
「今、生きている」ことを
強烈に感じさせられる
[不帰Ⅰ峰の頭]
[背後に見えるのは天狗の頭 ]
2Lの水がなくなる頃
ようやく次の小屋「天狗山荘」についたのだった
『水』
都会では蛇口をひねるだけの
なんとも思わない水かもしれないけれど
雪解け水をいっぱい飲む幸せを味わった
改めて、雪って「水の貯蔵庫」だなって
思ったんだ すごいね!
[天狗山荘前の水場]
キレットは「水」のありがたみも教えてくれたよ