旅に出るということは「何を持たないか」を考えさせられる
でもお気に入りのものを持っていく、という楽しみもあるよね
今までの旅、特に自転車ツーリングではタッパーの中に小さなシャンプー、ボディーソープや洗顔料などをまとめて持ち運んでいた
北海道自転車ツーリング中の野宿にて
洗う部位ごとに違うソープを使い、さらには洗たく、食器洗いなどとなればそれ専用の洗剤を必要とした
自転車片方のサイドバック半分がそれだけで埋まっちゃったんだよね
そんなある日、モンベル社から出ている
「オールパーパスソープ」に出会った頭から足の裏、食器洗いや洗たくにも有効だった
今はエコソープに変わったらしい
手元にあったタッパーのソープセットは処分して、これ1本で過ごした
しかし、なんだか「快適」とは言い難かった
その頃、西表島でガイドをしている「とんとんみー」の余語さんちにMHと遊びにいった
(余語さんもまたステキな方で紹介はいずれの機会に)
…彼女の部屋には洗剤がなかった それでいてシンプルで部屋はキレイに保たれていた
余語さんいわく
「多くの汚れは水アカ。まめに掃除すれば重曹で充分」
目からウロコだった
風呂のための洗剤、トイレのための洗剤、ありとあらゆる専用の洗剤から解放される、ってなんと気持ちのよいことか(それを作るメーカーの人には申し訳ないのだけど)
そしてそこからMHがヒントを得て、たどりついたのが「手作り石けん」だった
この「手作り石けん」は自分の好きな香りの精油(アロマオイル)を加えて作るため、石けんを使うたびにホッとさせてくれるニオイに包まれる リラックスできる作用があるのだ
断面図
また天然に配合されたグリセリンにより保湿にも有効だ
アロエ粉末やラベンダー精製水などを配合すれば日焼けした肌にしっとりと優しい
[もちろん全身に有効で、旅先にこれ1個で満足だ]
リンも含まないので生分解も早く、河原や浄化槽のない島のシャワーでも安心して使えるしね
(離島の排水はそのまま海へいく所も多いんだ)
[Photo by MH/IRIOMOTE]
旅の期間に合わせて石けんを好きなようにカットできるのもありがたい
最初は戸惑うことも多い石鹸づくりで失敗も重ねてきた
取り扱いに気をつけたい苛性ソーダは温度の急変でガラス瓶が割れたりした
今ではナルゲンボトルを使用することで解決した
[理科の実験気分でもある]
最初は怖いのでハウツー本の熟読やワークショップに参加するのもいいのかも
[毎回緊張する苛性ソーダ]
手作り石けんを使うようになってデメリットも出てきた…
市販の石けんの内容表示をついチェックしてしまう
肌は正直で、こうした大量生産されるようなマヤカシの石鹸を使ってしまうと保たれていた表膜を失いカサカサとなるので一気に身ぐるみをはがされる気分になっちゃうんだ
[新品オリーブオイルを使用/カスタードクリームみたいだ]
製造のプロセスの中でキャンプに使っている道具を利用するのも楽しいな、って思ったよ
[保温箱としても高性能だ]
牛乳パックを利用した型入れ
3日後、保温箱から出して乾燥させる
あとは熟成するのを待つだけ、である
次はどこの空の下で洗われるのだろう
ちなみに石鹸づくりのハウツー本はMHが探してくれた
特に前田京子さんの考え方が好きなんだ
気持ちのいい文で書かれているので
読むだけでも楽しいのでオススメです
お風呂の愉しみ/前田 京子