毎日を旅するように暮らす筆談トラベラーのサイト

ろう者としての『3.11』

色々な人が色々なことを思う日

震災の2日前、ウチはiPhone4をゲットしたばかりで慣れない指でツイッターを始めた
この日、住んでいた家は海抜5mで大津波警報が出て3日ほど帰れなくて実家に避難した

『関東にいるのに、避難?』と思うかもしれない
でもウチの家族は全員ろう者だ
たとえば長蛇の列のスーパーやガソリンスタンドが何時に開くとか整理券を配るといった情報
計画停電を予報する町内放送(放送の存在をあとから知った)
ちなみにテレビに出てる時間は全体をさしていて実際の停電は地域によって、細分化されていた
この非日常状態を生きるべく、先回りして動く必要があった
この停電に対して暖をとったり、灯りをつけたりするためにランタンやガスコンロを用意した それらは車内に常備していたのだ
でもブタンのガスカートリッジは入手困難だった
自分のもつ道具が大自然の中で使えるはずが、その燃料がなければただのオブジェとなってしまう

そして福島原発がメルトダウンしたのを最初に知らせたのはテレビでも新聞でもなく皮肉にも遠くアメリカに住む友人からのメールだった

そうしてツイッターで「メルトダウン」と検索すると芋づる式にたくさんの情報が出てきてなにげなく買ったスマホは貴重なラジオとなる
一部、デマもあったけれどテレビで放映されない大切な情報がタイムラインに流れてきたのだった

思い返すと、その予測、リスクを減らすためスマホは役立ったけれど最後に大切なのは経験に基づいた勘を信じて行動に移すことだったかも


思うことは色々あるけれど、どこかの殺人や路上キスなどのニュースに惑わされてしまうと気づいたら異常に高い防波堤が出来ていたり、海を埋めたてられ、そして原発再稼働やTPPなどどうやったら止められるのだろう
子ども達には未来を…

震災半年後の南三陸の防災庁舎

いつまでも、こんな海で遊びたい