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インド人とYAK(後編)TSOMGO LAKE

実際美しいTSOMGO LAKE

湖に映し出すのはそれだけでなかった

この道の先がNATHU LA PASS (ナトュラ峠)でチベットへと続く
昔はシルクロードの南ルートでもあったのだ

インド人観光客が和気あいあいと楽しむそばで


密かにズームアップすると


軍事施設が立ち並ぶのだった
あちらも高性能スコープでこちらを監視しているのかもしれない

だから心のつっかかりを感じたのはそれにも直結した

このくねくね曲がる道に十数箇所もののアーミーキャンプがある

道路が整備されているのもそれに関わっているのだろう


遥か先にみえる美しいヒマラヤの下でこうして隣国との狭間で国境を意識するのは
島国である日本にはない感覚だった
そして、ここでみるインド人は暮らしているのでなく観光にくる人たちなのだった

けれど、もしかしたら沖縄の由布島もそのようなものかもしれない
大切な観光資源であり、客を載せた水牛車が海の浅瀬を歩く
でも、その平和的な海のすぐ向こうに確かに目にみえない国境がある

雪が珍しく、無邪気に歩く姿はその一面だけを切り取って微笑ましいと思う

長靴や防寒具は近くのレンタル屋で貸し出し


そして中国に近いシッキム州は当然、中国製のものが多く売られている
これまた、インド人が買いにくるらしいのだ


夏の被
”日本の夏のコロモには暑いのでは?”と心の中でツッコんだ

もしも、この湖がすでにチベット側の領域であったならどうなっていただろうか
置き去りにされたただの荒野の中でひっそりと水をたたえる、名もなき湖だとしたら
働くYAKも、レンタル屋も、湖の水を利用するアーミーも存在しなかったかもしれない