背中一面にタトゥーがびっしり、そして耳たぶに筆1本が入るピアスに本物のモヒカン
最初はバタフライナイフが似合うような危ないオーラを放っていてドキドキするほど怖かった
ところが
ガイドが「飯は何にする?」と聞いたとき
そのモヒカン兄貴は帽子をとったのだ
自分の頭を指して「チキン」と笑った
それが先ほどの「船上の言葉」のスペイン人である
話してみればものまね、身振りがメッチャ上手
熱くて面白い奴でよく見ると、目がとてもピュアだったのだ
「吸うか?」とすすめられた手巻きタバコ
濃い煙をくゆらせながら一緒にのぞきこむ川底にはくちばしの長い魚がゆらゆらと泳いでいた
遠い国から一瞬だけ交差し共有する、こんな時間をウチはこれからも思い出すだろう
ちなみにタイで売っているタバコはほとんどのパッケージが病気に侵された臓器の写真が
「ザ •ショック」のように生々しく載せているのであった