気が遠くなるくらい、いくつもの峠を越えてきた
今度こそ、村がみえるはず
そう思って歩いては、空と陸の起伏がみえるだけ
NEPALの現地マップはとってもシンプルで
「山と高原地図」のような親切な説明は皆無だった
今夜の宿泊地はまだだろうか
早くホクホクのポテトとビールにありつきたい
そしてウチはついに幻をみた
馬だった
馬に乗って、宿泊地までウチを運んでくれないか?
そうして夢は現実に変わった
空に向かってウチはライダーとなっていた
突如、現役のライダー達があっという間にウチを追い越して
砂煙をあげながら颯爽と駆けぬく
彼らは観光でもレースでもなく、日常の足として乗りこなしていた
今の時代にも暴れん坊将軍のような馬乗りが存在していることに興奮し
この光景はいつまでも目に焼き付いて離れなかった