ランタン村は多くのロッジがあり選ぶのに迷う
シェルパのリンジが鼻の下を伸ばして”ここにしよう!“、と言い出した
恒例の厨房チェックもパスし、部屋もいい感じだ
まだ日が高いうちに、宿にたどり着くのは嬉しい
川からの水がホースで引けるので、ここぞとばかりに
みんな頭や足を洗ったり、服を洗濯して干した
高地の水はとても冷たく、洗った頭がキンキン鳴った
そこのねえちゃんが「冷たいでしょ~、お湯作ってあげたのにぃ」といってくれた
マジマジみるとメイクをしていて『ミキティ』そっくりだったので勝手にそう呼んだ
”年齢きいてもいい?”って聞くと、両手をパン、パンと2回やって片手をパーして、親指1本立てグーしてみせた
”おー26か!”ウチはね…両手をバンx4回みせたら、目を見開いて驚き、そしてお互い笑った
彼女はシェルパにいじられながらも飯を作り、掃除をし、マキをくべ、トレッカーを部屋に案内した
突然「あ!カズコにそっくり!」とミホいわく
振り向くと、ミキティがカズコ(仮名)に「ゆっくり休んできな」とコーヒーを作って差し出す
どうやら近所に住むイトコみたいだ
背負っていたカゴの中身を見せてもらう
野菜でも、マキでもなく、赤ちゃんだった
新米ママのカズコの額には、汗がにじみ出ている
ミキティが手を休め、カズコと談笑し始めた
その姿は女学生に戻ったようにとても楽しそうで、みているこちら側が微笑ましく感じる時間だった
突然ふっとウチのばあちゃんを思い出した
ウチのばあちゃんも昔ながらの暮らしをしていて、忙しい畑仕事の合間に遊びにきてくれる隣のおばぁと
ユンタクするのが楽しそうだったのが幼心に記憶していて、ミキティとウチのばあちゃんと重ね合わせたのだった
このランタン村は地震でがけ崩れを起こして、更地となったニュースをみたんだ
ミキティもカズコも、その家族もみんな無事で元気で今日もお茶を飲んでいるといいな