フェリーボードが去った今、頼りになるのはこのカヤックと食料と忍ばせたビール
「さて行くぞ!」という感覚は日常、安全な場所にいたら忘れてしまいそうな「荒野」に対する[緊張]と[解放]でもある
2人艇に荷物を詰め込んで、その自由な海面を漕ぎだした
ペリカンケース、防水マップ、ビルジポンプ、救難信号用ロケットも貸与され、予備パドルを固定するホルダー等
かゆい所に手が届く艤装がされている
荷物を入れるハッチが3コもあるぐらい、タンデム艇の中でも大きくビックリするほど重い
おそらくNZで製造されたクオリティーカヤックス製なのだろうか
少しうねりがあるものの安定性のあるカヤックでグリーンから深いブルーへと海の色が移り変わるのを見ながらの
パドリングは楽しい
そして海岸線から30分ほど漕ぐ所に浮かぶトンガ島にはオットセイが棲むという
国立公園内の保護海域ルールにはオットセイやペンギンを見かけたら20m以内の接近を禁じられているが、
彼らから寄ってきたらOKなんだって
岩と同化していてわかりにくいが、確かにオットセイ達がゴロンとしたり、クルクルと泳ぎまわったりしていた
彼らがうちらをみても隠れようとしないのはこの接近ルールのおかげなのかも
艇から眺めていると、このメタボな海獣たちはシンクロ選手のように手ビレを伸ばしつつ、リズミカルに動かしていた
何か発表会の練習でもしてるみたいで、そんな光景が今の時代にも残されて見ることが嬉しかった
ウチの夢のひとつに「海獣の口臭を嗅ぐこと」があるが、さすがにそれは難しかった
またの機会にトライすることにしよう
そういうとき静かに滑るカヤックは、この愛らしい動物たちを眺めるのにぴったりだなと改めて思うのだった
同じようにレンタルしていた欧米人カヤッカーもすれ違う
お互い満面の笑みだった
海上で喜びをシェアするのっていいね
そうして本日の停泊地に上陸!
まるで西表島の鹿川湾のようではっとするほどキレイなんだ
海流のせいなのか、漂流物があまりないのが不思議
すぐに身につけたものを脱ぎ捨てて、吸い込まれるように海に飛びこむのだった
3へ続く